遂に2019-2020シーズンのシーズン開幕。
令和初、再建元年のシーズンを迎えるMEMがどのような成長を見せられるか楽しみにしているファンは多い。
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10/24はアウェーでMIA戦。
超強豪ではないがウェイドが去り新エースにバトラーを加えたMIA。
ただしバトラーは個人的な理由で休養。
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MEMはモラント、ディロン、クラウダ―、JJJに加え怪我から復帰のヨナスが今季初プレー初スタメン。
MIAの連続得点で始まるも、MEMも守備からのアーリーオフェンスでリズムを掴み逆転。
両チーム開幕戦からくる固さを感じさせるが個人単位では積極的だった。
モラントを中心としたリムアタックに加え、タイアス=ジョーンズが安定のハーフコートオフェンスを展開し上々の1Q。
MIAはウィンズロウ、アデバヨ、デリック=ジョーンズなどが要所でフィジカルを活かしてリングを攻め勢いを渡さない。
オフェンスリバウンドを支配され苦しい展開のMEMだが、クラウダ―を中心にファストブレイクで再逆転に成功。
後半は一進一退の展開、MEMはファウルトラブルに苦しみMIAペース。
MEMはJJJとクラークのインサイドで対抗するも4Qからオフェンスが停滞。
その後ミスからの得点を献上し続けMIAの猛攻を止められず。
4Qだけで17-37と一気に点差を広げられ101-120で敗戦。
今季初勝利はおあずけ。
ケンドリック=ナンはあれでドラフト外ルーキーか、ナンて選手だ。。
ジャスティス、次こそ決着をつけよう(キラ=ヤマト風に)


<総括的な>
流石に連携に苦しむと予想していたが、4Q以外は思っていた以上にやりたい方針は見れたゲームだった。
早いトランジションからペースをつかむ一方でタイアス、ヨナスなどハーフコート巧者が変化をつけていくバランスの良さは好材料だった。
TOの多さとリバウンドは明確な課題となりそうだ。
3Pシュートは5//32(16%)と壊滅的だったけれど思い切りよく撃てていたしそこまで心配はしなくてよいというか数試合見てからかなぁ。
ヨナスの3Pは要相談だけど。
ディフェンスはファウルの多さはもちろんモラントやタイアスで中を攻められた場合のケアなども必須だろう。
采配としては相手のシュートが入りだした時、自分たちのシュートが落ちだした時の対応が課題、当たり前だけど。
4Q早めにファウルボーナス超えてたので停滞している時間帯はもっとなんとかできただろうしね。
良い時間は結構あったけど悪い時間が悪すぎたって感じのシーズン初戦。
でも勢いは感じれたし数か月ぶりのMEMの公式戦見れただけで満足。
スタメンもプレータイムも全く固定されてない状況だけど今日のチームが新生MEMの第一歩。

タイアス=ジョーンズ 15pt 7ast
長年MEMの弱点だった控えPGの穴を埋めれるだけの存在感は示した。
モラントが不調ならタイアス、タイアスが不調ならモラント、あるいは彼らの併用とこれから様々なパターンを試していくことになるだろう。



<昨季の分析と今季の注目ポイント>

今季は成績というよりも新生MEMがどういうスタイルのバスケットをしていくのかが一番の注目ポイントだろう。
個人的に注目しているポイントは以下のとおりであり、これらのスタッツと実際のゲームを見ながら楽しんでいきたい。
実は今回整理しておきたかったのは試合結果ではなくこっちだったり。

〇ペース
Grit n Grindの復活を掲げた昨季のMEMはリーグで最もペースが遅く、またオフェンスレイティングはリーグワースト4位であった。
一般にペースはオフェンスレイティングと密接に関わっており、速攻を増やしたりオープンでパスよりもシュートを優先することが現代バスケでは良いオフェンスの必須条件である。
これはリーグのショットクロック残数別のFG%を見ても明らかだ。
つまり、ペースを上げたら良いオフェンスになるとは限らないものの、セオリー通りに良いオフェンスをすれば自然とペースは上がっていくということだ。
それにペースを落として接戦に持ち込みコンリーとマルクの神通力で何とかしてもらうという長年の戦法は今季から使えない。
速攻に強いモラントとクラークを活かし従来の超スローペースから脱却できるかには注目したい。
(ただし相手に楽にシュートを与えない良いディフェンスによってもペースは遅くなるので一概にペースが上がる=良いとは言い切れないが)

〇3P占有率、FB占有率、FT占有率(それぞれ総得点における3P、ファストブレイク、FTの割合)
昨季のMEMは3P占有率がリーグ21位、FB占有率がリーグ15位、FT占有率はリーグ5位であった。
このあたりのスタッツは基本的にチームのスタイルが表現されやすい数字である。
また3P得点、FB得点、FT得点は基本的には効率の良いオフェンスのキーでもある。
つまり、来季このあたりの数字がどう変わるかを見ることでどういうバスケをしようとしているかを見ることができるだろう。
ちなみにMEMの3P占有率は過去10年間基本的にリーグで下から5番に入る水準(うち4回はリーグ最少)だったのでそこから考えれば徐々に3P得点を増やしてきてはいる。
また細かいところにはなるが、MEMはTOからの得点の割合がリーグ5位であり、昨季に限らず伝統的にTOからの得点の割合が多いチームだ。
何にせよこれらのスタッツからチームがどういうスタイルのバスケを目指すかが見れるだろう。

〇TS%、TO%、Reb%
昨季はTS%とTO%がワースト7位、Reb%がワースト5位となっており、要するに「シュートが下手」「TOが多い」「リバウンドが取れない」という状態であった。
これらのスタッツはチームのスタイルなど関係なく高い(TOは低い)に越したことはない数字である。
つまり、このスタッツからはチームの成熟度、規律を見ることができるだろう。 

〇STL、BLK、FB失点、ペイント失点、セカンドチャンス失点
昨季のMEMはDFレイティングでは9位とロッタリーチームにしてはまずまずの出来であった。
STL数はリーグ6位、BLK数は4位とSTLもBLKも多かった。
またセカンドチャンス失点(の少なさ)4位、ペイント内失点3位とペイント内のリムプロテクトはリーグトップ水準だった。
逆にFB失点はワースト3位でありここが課題であった。これはTOの多さやトランジションDF、メンバーの走力などが関わっているだろう。
このスタッツからはいかに自分たちの強みを維持できるかに注目したい。
コンリーとマルクが去りHCも変わったのでこの水準のDFを維持するのは不可能に近いが、だからこそ今までのチームのアイデンティティである守備に対する姿勢が重要になる。

本当はMEMだけでなく全チームでこれらの数字とチームスタイルと成績の関係を見てみたいけど、今シーズンが終わって時間があったらやってみるかな。